SMARCA2
遺伝子名: SMARCA2
疾患名 |
ニコライデス・バライスター症候群
Nicolaides-Baraitser syndrome
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登録人数 | 4~6名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
名古屋大学医学部附属病院 小児科
札幌医科大学附属病院
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
詳細情報は準備中です。
はじめに
ニコライデス・バライスター症候群(Nicolaides-Baraitser症候群:以降、NCBRSと略します)は、1993年に初めて報告されましたが、この時点では原因遺伝子は分かっていませんでした。その後、2012年に原因遺伝子としてSMARCA2遺伝子が同定されました。現在まで80名を超える患者さんの情報が報告されており、遺伝子解析技術の臨床応用に伴い、今後報告数が増えることが期待されます。
どういう症状があるの?
この体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達
発達はのんびりしていますが、その程度は様々です。多くの方でひとり歩きが可能となり、平均2歳頃と報告されています。意味のある言葉を話す方もいますが、成人期でもお話が難しい方もいます。また、言葉は聞こえの影響も受けるため、そちらの確認も重要となります。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。
成長(身長・体重・頭の大きさ)
半数以上の方で身長や体重が小柄であると報告されています。頭の大きさが小さい(小頭症)方も比較的多いと言われています。定期的に成長の記録をつけていくことが重要となります。
髪の毛の特徴
ほぼ全ての人で年齢と共に髪の毛がまばらになると言われています。生後数ヶ月の時点でその傾向が出てくる方から、10歳前後に目立ってくることもあります、症状が出始める年齢の幅は様々です。
てんかん
約60%の方でてんかんを合併すると言われています。初回のけいれんは平均2歳ごろで、抗てんかん薬が効きにくいことも多いようです。普段の生活の中で気になる動きがあれば、担当医にご相談ください。
骨の症状
指の関節や指の先端が太く目立つことがNCBRSの特徴と言われています。約30%の方で脊柱側弯(背骨が横に曲がる)を合併すると報告されています。側弯は成長期に大きな課題となるため、定期的な外来受診の際に確認します。
皮膚の症状
約30%の方で顔や足、手などにアトピーのような湿疹がみられます。一部の患者さんでは重症な経過を取ることもありますが、10歳前後までによくなること方も多くいらっしゃいます。皮下脂肪が少なく皮膚のシワが目立つことも特徴と言われています。
歯の症状
約30%の方で歯が生えてくるのが遅いといわれています。そのほかに、歯と歯の隙間が広い、歯並びが悪い、などの症状があります。かかりつけの歯科を見つけ定期的に通院することが大切です。
その他の症状
停留精巣(精巣が陰嚢内にない)、難聴、目の合併症、先天性心疾患などの合併症があります。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。新生変異の場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同等あるいは少し上がる程度と考えられます。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があることが知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。この場合次の妊娠でNCBRSの体質を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴っている症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。