SLC26A2
遺伝子名: SLC26A2
疾患名 |
捻曲性骨異形成症
Diastrophic dysplasia
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
SLC26A2遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
捻曲性骨異形成症は、骨・関節などに特徴みられる骨系統疾患に含まれます。1960年に同じような骨の特徴を持つ複数の患者さんが報告され認識されるようになりました。1994年にSLC26A2遺伝子(このときはDTDST遺伝子と呼ばれていました)が原因遺伝子であることが分かりました。正確な発症頻度は分かっておりませんが、遺伝子解析技術の臨床応用に伴い、今後報告数が増えることが期待されます。
どういう症状があるの?
この体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
成長(身長・体重)
捻曲性骨異形成症の体質を持つ方では、大腿骨などの長管骨(長い骨)が短いことにより、身長が小柄となることが知られています。海外からではありますが、最終的な成人期の身長は男性136cm、女性129cmと報告されています。
発達(運動・言葉)
知的面の発達は月齢・年齢相当と言われます。しかしながら、以下に示す関節拘縮の影響で運動面の発達はゆっくり進みます。一人歩きの平均は約2歳という報告もあります。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。
骨の症状:関節拘縮(関節が硬く、動かしにくくなる)
捻曲性骨異形成症では、骨・関節の症状に特に注意が必要です。関節の症状として、関節拘縮が見られ、股関節や膝関節など大きな関節に起こりやすいと言われています。関節拘縮は進行性で、痛みを伴うこともあります。また、関節に加えて足の筋肉や靭帯が短い方もおり、成人になると足の踵を床につけることが難しくなるかもしれません。関節拘縮が進行すると、歩行が難しくなるなど、運動面に影響する可能性があります。整形外科の受診、療育で関節を動かしていくことが重要になります。
骨の症状:背骨の症状(脊椎側弯、前弯)
背骨の症状として、脊椎側弯(背骨が横に曲がる)、脊椎前弯(背骨の前後方向のカーブがきつくなりすぎる)が知られています。関節拘縮同様に年齢とともに症状が悪化する傾向もあるようです。背骨は脊髄という大事な神経を守っている場所でもあり、症状が非常に強くなった場合は脊髄が影響を受け、神経症状が出る可能性もあります。関節拘縮と合わせた定期的な整形外科受診が勧められます。
骨の症状:指の症状
手が小さい、合指症(指がくっついている)、指が動かしにくい、などの症状を産まれつき持っている方もいます。これらの症状により指を器用に使うことが難しいかもしれません。療育で相談しながら機能改善をめざします。
呼吸の症状
捻曲性骨異形成症の体質では、胸郭(肺や心臓を包む骨の部分)が小さく、気管が弱いため新生児期に人工呼吸器管理を必要とする方が少なくありません。成長した後も感冒時などには呼吸の症状が悪化しないか、気をつける必要があります。
神経の症状
背骨の症状で記載したように、背骨の曲がりが強くなりすぎることにより、神経症状がでることもあります。具体的には手足が動かしにくい、排尿・排便障害(おしっこ、うんちがしづらくなる)があります。気になる症状がありましたら担当医にご相談ください。
その他の症状
口蓋裂(口の上の屋根が割れている)の合併も知られています。また、新生児期に耳が厚ぼったく腫れている方もおられます。治療対象にはなりませんが、診断には重要な所見となります。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
捻曲性骨異形成症は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)というパターンで伝わることが知られています。遺伝子はお父さんとお母さんからそれぞれ1個ずつ受け継ぎ、2個1セットで働いています。捻曲性骨異形成症では、2個あるSLC26A2遺伝子の両方がうまく働かなくなった状態と考えられ、ご両親それぞれが1個ずつ捻曲性骨異形成症の原因となる遺伝子の変化を持っている可能性があります(このような方は保因者と呼ばれ、SLC26A2遺伝子の変化が1個だけなので症状は出ません)。この場合、次の妊娠・出産で捻曲性骨異形成症をもつお子さんを授かる確率は25%となりますが、症状の予測はできません。
遺伝に関する詳しいお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関する詳しいお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
小児慢性特定疾病や指定難病には含まれておりませんが、伴っている症状や、その程度に応じ何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。