PPP2R1A
遺伝子名: PPP2R1A
疾患名 |
Houge-Janssens syndrome 2
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
北海道立子ども総合医療・療育センター
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
PPP2R1A遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
PPP2R1A遺伝子異常症は2015年に『筋緊張低下:筋力が弱い』『のんびりした発達』を持つ複数名の方に対して行われた遺伝子解析により3名の患者さんが診断されたことが最初の報告となります。その後、現在まで約50名の患者さんが診断されています。最初の患者さんが報告されてから時間が経っておらず患者さん情報は限られていますが、網羅的遺伝子解析技術の臨床応用に伴い、今後報告数が増えることが期待されます。
どういう症状があるの?
この体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達
多くの方でのんびりしていると言われますが、その程度は様々です。知能検査結果が正常範囲内であった成人例も報告されていますが、独歩が難しい方、言葉を使ったコミュニケーションが難しい方もいます。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。
筋緊張低下
産まれつきの筋緊張低下(筋力が弱い)を合併している方が90%以上と報告されています。筋緊張低下はお座りや歩くなど、運動面の発達へ影響することが考えられます。
頭の大きさ
頭の大きさの違い:大頭症(頭が大きい)、小頭症(頭が小さい)は2/3の方で持っていると言われています。これ自体は治療の対象とはなりません。
けいれん
約半数の方で合併するようで、特に生後1年以内の可能性が高く、また頭が小さい方ではその可能性が高いと言われています。中にはけいれんのコントロールが難しい方もいます。けいれんには様々なパターンがありますので、気になる動きがあれば担当の先生にご相談ください。
耳の聞こえ
耳の聞こえにくさを持っている方が10%程度と報告されています。聞こえにくそうな様子がある場合は、担当医にご相談ください。
側弯
約10%の方で脊椎側弯(背骨が横に曲がること)を合併すると言われます。定期受診の際や、学校健診などで定期的に確認することが重要です。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。今までの報告はすべて、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。新生変異の場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます(正確な発生頻度は不明です)。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があることが知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。PPP2R1A遺伝子異常症でこのような報告は現在までありませんが、この場合次の妊娠でPPP2R1A遺伝子異常症の体質を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
伴っている症状や、その程度に応じて療育手帳によるサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。