NSD1
遺伝子名: NSD1
疾患名 |
ソトス症候群
Sotos syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
名古屋大学医学部附属病院 小児科
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 |
NSD1遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
この症候群は、1964年にSotosらが、大きな体とのんびりした発達をもつ5人の患者さんについて初めて報告しました。2002年に黒滝医師らによってNSD1遺伝子が働かなくなることが原因であると、明らかになりました。現在までに、世界中で400人を超える患者さんが報告されています。
どういう症状があるの?
この体質をお持ちの方では、成長や発達、体の特徴などについて、気をつけたほうがよい特徴や症状がいくつか知られています。以下にご紹介する内容は、限られた報告や研究をもとにまとめられた情報で、すべての症状を網羅したものではありません。あくまで「この体質の方にみられることがある傾向」としてご覧ください。また、同じ体質を持っている方でも、症状のあらわれ方や程度には個人差があります。すべての方に同じような症状が出るわけではありません。この情報は、「どんな症状が出る可能性があるのか」を事前に把握しておくためや、実際に見られた症状がこの体質と関係しているかを医師と一緒に考える際の参考として役立ててください。
気をつけた方がよい症状
発達
発達はのんびりしていますが、その程度は様々です。体格が大きいこと、筋力が弱いことから、運動の発達がのんびりだったり、苦手なお子さんもいます。お話に関しても2歳~3歳でお話ができるようになるお子さんもいれば、大人になってもお話が難しい方もいます。また、言葉は聞こえの影響も受けるため、聴力の確認も大切です。じっとしているのが苦手な子や、心配性の子もいます。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。
成長(身長・体重・頭の大きさ)
乳児期は頭の大きさや身長が大きめのことが多いようですが、成人になると平均的になっていくようです。手足も大きめのことが多いようです。定期的に成長の記録をつけていくことが重要となります。
赤ちゃんの頃に見られやすい症状
新生児の頃に黄疸が強かったり、ミルクやおっぱいをあまり飲めなかったり、低血糖になったりすることがあります。
耳の聞こえの症状
新生児聴力スクリーニングでの結果が参考となります。聞こえは言葉の発達に重要であるため、気になる症状があれば担当医にご相談ください。
心臓の症状
生まれつきの心臓病(先天性心疾患)を持つ方は15~40%と報告されています。先天性心疾患があった場合、循環器科の先生と治療方針を相談します。
腎臓・泌尿器の症状
約15%の方で腎臓に症状があると報告されています。一番多いのが膀胱尿管逆流症(膀胱に溜まったおしっこが腎臓に逆戻りしてしまう)とされており、尿路感染症(腎盂腎炎など)の予防や治療が必要となることもあります。また、男の子では停留精巣(陰嚢内に精巣が降りてきていない)、尿道下裂が見られることもあります。診断がついたら少なくとも一度は腎臓の超音波検査で確認します。
筋肉や背骨の症状
約30%の方で背骨の症状:脊柱側弯(背骨が横に曲がる)が報告されています。側弯は成長期や大人になってからも大きな課題となることがあるため、定期的な外来受診の際に確認します。また、約20%の方に関節が柔らかい、扁平足があることが報告されています。経過観察や治療が必要な場合は整形外科の先生に相談します。
眼の症状
目の病気(斜視や近視、遠視、乱視など)が見られることがあります。まれに白内障や緑内障の報告もあります。
神経の症状
痙攣発作を約25%の方で認め、治療が必要なこともあると報告されています。また、多くの方で頭部MRIや頭部CTなどに何らかの変化を認めるとされますが、特別な治療はいらないことが多いようです。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。この場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同等あるいは少し上がる程度と考えられます。この体質を持つ方がお子さんを持った場合には50%の確率で同じ体質となります。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
ソトス症候群は指定難病および小児慢性特定疾患といった助成制度に登録がされています。伴っている症状や、その程度に応じて医療費助成や療育手帳などのサポートを受けることができる可能性があります。社会資源の活用については担当医にご確認ください。