LONP1
遺伝子名: LONP1
疾患名 |
コダス症候群
CODAS syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 |
LONP1遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
CODAS症候群は1991年にカナダの小児科医であるShebibらにより初例報告がなされ、2015年に原因遺伝子がLONP1と分かりました。CODASは合併しやすい症状であるCerebral(脳)、Ocular(眼)、Dental(歯)、Auricular(耳)、Skeletal(骨)の頭文字から来ています。これまでに世界で報告されている患者さんは約20〜30人と少ないですが、遺伝子解析の技術の進歩により、今後はより多くの情報が得られると期待されます。
どういう症状があるの?
この体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達(運動・言葉)
発達はのんびりしていますが、その程度は様々です。大きくなるにつれて、まわりの方と同じようにいろいろなことができるようになる方もいれば、自分で歩くことが難しかったり、お話しすることや気持ちを伝えることが苦手な方もいます。運動発達の目安は、お座りが1歳頃、ひとり歩き1歳半頃と言われます。言葉に関してはばらつきが見られますが苦手な方が多く、話すよりも聞いて理解することの方が得意なお子さんが多いようです。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。
成長(身長・体重)
体格はやや小柄な方が多く、身長は同じ年齢のお子さん100人の中で10番目より小柄になることがよくあります。定期的に成長の様子を記録していくことが大切です。
眼
CODAS症候群の体質を持つ方では眼の症状へ注意が必要で、特に生まれつきの白内障はほぼ全例で見られると報告されています。それ以外に、眼瞼下垂(まぶたが下がっている)、眼振(眼球のふるえ)なども報告されています。定期的に眼科での評価が重要となります。
骨の症状
骨の合併症も見られやすく、脊椎が側方に曲がる側弯症、背骨の変形、関節の脱臼、関節の動かしにくさ、身長への影響が報告されいます。外来受診の際に定期的に確認し必要であれば整形外科と相談するようになります。
耳の症状
耳の形に特徴が出る方がいますが、これだけでは症状への影響はなく、気になるようであれば形成外科の先生と相談します。一方、耳の聞こえの症状を合併する方も少なくないようであり、新生児聴力スクリーニングで大丈夫であっても、日常生活で音への反応が悪いなど気になる症状があれば担当医へご相談ください。
歯の症状
歯科では歯の生え始めが遅い、エナメル質が弱く虫歯になりやすい、など様々な症状が見られるようです。定期的に歯科へ通院することが重要となります。
呼吸の症状
CODAS症候群の体質を持つ方の一部に、気道(空気の通り道)が狭く、感染症罹患時に重症化しやすい方や、症状がかなり強い場合には気管切開などの処置が必要な方もいるようです。夜間のいびき、睡眠時無呼吸など気になる症状があれば、担当医へご相談ください。
その他の症状
上記以外に先天性心疾患、胃食道逆流症、鎖肛(お尻の穴が開いていない)、胆汁うっ滞の報告があります。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
CODAS症候群は常染色体潜性(劣性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。遺伝子はお父さんとお母さんからそれぞれ1個ずつ受け継ぎ、2個1セットで働いています。CODAS症候群では、2個あるLONP1遺伝子の両方がうまく働かなくなった状態と考えられ、ご両親それぞれが1個ずつCODAS症候群の原因となる遺伝子の変化を持っている可能性があります(保因者と呼ばれ、LONP1遺伝子の変化が1個だけの場合、症状は出ません)。この場合、次の妊娠・出産でCODAS症候群をもつお子さんを授かる確率は25%となりますが、症状の予測はできません。
遺伝に関する詳しいお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関する詳しいお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴っている症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。