KAT6B
遺伝子名: KAT6B
疾患名 |
Genitopatellar症候群
Genitopatellar syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
兵庫県立こども病院
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 |
KAT6B遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
Genitopatellar症候群は、2000年に世界で7名の患者さんの症状が初めて報告されましたが、当時は原因となる遺伝子は分かっていませんでした。その後、2012年にKAT6B遺伝子に起こった変化が原因であることが明らかとなりました。このKAT6B 遺伝子は、ヤング・シンプソン症候群という別の症候群の原因遺伝子としても知られています。Genitopatellar症候群とヤング・シンプソン症候群は、別々の疾患というよりも、同じ KAT6B 遺伝子の変化によって現れる症状の違いとして説明されています。現在まで約20名の情報が報告されており、遺伝子解析技術の臨床応用に伴い、今後報告数が増えることが予想されます。
どういう症状があるの?
この体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達
多くのお子さんで発達はのんびりしていると言われますが、その程度は様々です。声によるコミュニケーションが可能な方もいますが、言葉を使ったコミュニケーションに課題がある方が少なくありません。また、自分の足で歩くことが難しいお子さんが多いとされていますが、歩行器などの道具を使うことで歩けるようになる方もいます。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されます。
成長(身長・体重・頭の大きさ)
頭の大きさが小さい(小頭症)お子さんが多いと言われています。身長と体重は平均的なようですが、定期的に成長の記録をつけていくことが重要となります。
骨の症状
ほとんどの方で膝蓋骨(膝のお皿)が見られなかったり、小さかったりします。まれに、脱臼だけの方もいます。内反足(足全体が内向きに曲がっている)や膝と股関節の屈曲拘縮(曲がった状態で固まり伸ばしにくい)は、ほとんどのお子さんに見られ、歩いたり動いたりすることに影響限が出ることもあります。側弯症(背骨が曲がる)、漏斗胸(胸の形がへこむ)なども見られることもあります。整形外科の先生と相談しながら対応していきます。
神経の症状
多くの方で脳梁欠損または脳梁低形成(左右の脳をつなぐ脳梁が欠けている小さい)が見られます。また、一部の方ではけいれんや水頭症(頭の中の脳脊髄液が貯まりすぎてしまう状態)を合併することがあります。
生殖器の症状
Genitopatellar症候群の”Genito”は”性器”という意味であり、名前のとおり、生まれつきの性器の形や発達に特徴を持つことが知られています。男の子では陰嚢低形成(精巣が入る袋が小さい)・停留精巣(精巣が陰嚢に降りてきていない)・小陰茎(おちんちんが小さい)、女の子では陰核肥大・大陰唇低形成(外陰部のひだが小さい)、などがみられます。泌尿器科の先生と相談しながら対応します。
その他の症状
先天性心疾患(生まれつきの心臓病)、歯の異常(歯がはえるのが遅れる)、難聴、甲状腺の異常、肛門の異常(鎖肛:肛門が塞がっている)などがみられることがあります。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。この場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同等あるいは少し上がる程度と考えられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴っている症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。