EBF3
遺伝子名: EBF3
| 疾患名 |
Hypotonia, ataxia, and delayed development syndrome
|
|---|---|
| 登録人数 | 1~3名 |
| 登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
|
| ピアカウンセリング | 希望する |
| 関連情報 |
詳細情報は準備中です。
はじめに
EBF3遺伝子の変化と病気との関連が初めて明らかになったのは2017年のことです。このときには、10名の患者さんの症状が報告されました。その後も少しずつ症例が追加され、現在までに確認されている患者さんは約100名とされています。近年、染色体や遺伝子を詳しく調べる検査技術が進んできているため、今後もこの病気と診断される方は増えていくと考えられています。
どういう症状があるの?
この体質をお持ちの方では、成長や発達、体の特徴などについて、気をつけたほうがよい特徴や症状がいくつか知られています。以下にご紹介する内容は、限られた報告や研究をもとにまとめられた情報で、すべての症状を網羅したものではありません。あくまで「この体質の方にみられることがある傾向」としてご覧ください。また、同じ体質を持っている方でも、症状のあらわれ方や程度には個人差があります。すべての方に同じような症状が出るわけではありません。この情報は、「どんな症状が出る可能性があるのか」を事前に把握しておくためや、実際に見られた症状がこの体質と関係しているかを医師と一緒に考える際の参考として役立ててください。
気をつけた方がよい症状
発達
発達はのんびりしていることが多いと言われ、その程度は様々です。お座りは1歳頃、一人歩きは4歳頃に始まるという報告があります。言葉の発達もゆっくりで、最初の言葉が出るのは3~7歳頃とされています。お子さんの発達に合わせて、療育(発達支援)がすすめられることもあります。
成長(身長・体重・頭の大きさ)
身長が小柄で、頭の大きさが小さめ(小頭症)になるお子さんが多いと言われています。乳幼児期は哺乳量の問題から体重が増えにくいかもしれません。定期的に成長の記録をつけることが重要です。
筋緊張低下(筋力が弱い)
約80%の方に筋緊張低下がみられることがあり、発達がゆっくりだったり、母乳やミルクの飲みにくさ、呼吸のしにくさなどにつながることがあります。また歩けるようになった後も、歩行が不安定で、よく転ぶことがあるかもしれません。お子さんの様子で気になることがあれば、担当の先生にご相談ください。
眼の症状
眼の症状を持つ方も約半数と言われます。斜視(黒目の位置がずれる)や屈折異常(近視・遠視・乱視)が頻度の高い症状のようです。定期的に眼科の先生と相談することが勧められます。
腎臓・泌尿器の症状
約半数の方でこれらの合併症を持つと報告されています。膀胱尿管逆流(膀胱から腎臓へ尿が逆流する)、繰り返す尿路感染症、男児では陰嚢内に精巣が降りてきていない停留精巣など、様々な症状が知られています。気になる症状がる場合、腎臓の検査をしたことがない場合など、担当医へご相談ください。
お腹の症状
ミルクを飲む・ご飯を食べることが苦手、胃食道逆流症、便秘症など、お腹の症状を持つ方も約半数という報告があります。気になる症状がある場合は、ご相談ください。
その他の症状
骨の症状(脊椎側弯症:背骨が横に曲がる、背骨の形の違い)、てんかん、睡眠障害なども、見られる可能性のある症状として報告されています。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。この場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があることが知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があり、EBF3遺伝子でも数例ですがこのようなケースが報告されていまうす。この場合次の妊娠で同じ体質を持つ子を授かる可能性は最大50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。


指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴う症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。