DVL1
遺伝子名: DVL1
疾患名 |
ロビノウ症候群
Robinow syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
兵庫県立こども病院
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
DVL1遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
ロビノウ症候群は1969年に初めて報告され、2000年ROR2遺伝子が原因遺伝子として知られるようになりました。その後、遺伝子解析技術の進歩により5つの遺伝子がロビノウ症候群の原因遺伝子として登録されています。現在まで200名を超える患者が報告されており、遺伝子解析技術の進歩に伴い今後も更に情報が増えることの期待される遺伝性疾患と考えられます。
どういう症状があるの?
この体質を持つ方では、成長やからだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
成長(身長・体重・頭の大きさ)
ロビノウ症候群では産まれたときから身長が低い(低身長)ことが知られています。低身長は成人期も継続し、平均的には標準範囲内の下限付近となるようです。一方で身長に比して頭は大きい方が大きと言われます。定期的に成長の記録をつけていくことが重要です。
口腔内
ほとんどの方で歯茎が腫れている(歯肉過形成)を合併します。歯の生え始めが遅いことで気づかれるかもしれません。それ以外に歯の本数が少ない、歯並びが悪いなど様々な口腔内の症状を持つ可能性が高いことが知られています。定期的に歯科へ通院することが重要となります。
骨格
80%以上の方で何らかの骨の症状を認めます。手足の症状では、手足が短い、手が小さい、指の関節が動かしにくい(屈指症)などの頻度が高いことが知られています。手足以外に、脊椎が側方あるいは後方に膨らむ、側弯症・後弯症や、胸骨の形の違いも報告されています。外来受診の際に定期的に確認するようになります。
外性器
ロビノウ症候群では男女とも生まれつき外性器が小さいことが知られています。機能的な課題が出るようなら治療も検討されます。一方で思春期は通常通り訪れ、妊娠も可能なようです。
心臓
生まれつきの心臓病(先天性心疾患)を持つ方は約25%と報告されています。先天性心疾患があった場合、循環器科の先生と治療方針を相談します。
その他の症状
耳の聞こえに課題を持つ方、臍ヘルニアを合併する方も、一般に知られている頻度より多いと言われます。
見られにくいと考えられている症状
発達 相対的に頭が大きいため乳児期~幼児期の運動発達はゆっくりに見えるかもしれませんが、一般的な知的発達は年齢相応に進んでいくと言われます。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
ロビノウ症候群は原因遺伝子により常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わるものと、常染色体潜性(劣性)遺伝というパターンで伝わるものの両方あり、DVL1遺伝子は常染色体顕性(優性)遺伝で伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。この場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同等あるいは少し上がる程度と考えられます。一方、ロビノウ症候群ではご両親のいずれかがロビノウ症候群の体質を持っている、もしくは子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は気づかれないほど軽微な場合もあります(表現度多様性)。この場合次の妊娠でDVL1遺伝子の変化を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴っている症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。