CTNNB1
遺伝子名: CTNNB1
疾患名 |
Neurodevelopmental disorder with spastic diplegia and visual defects
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
兵庫県立こども病院
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
CTNNB1遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
NEDSDV症候群はCTNNB1遺伝子の違いにより起こりやすい症状である神経症状(NEuroDevelopmental)、下肢の動かしにくさ(Spastic Diplegia)、眼の症状(Visual)を表す英語の頭文字をとって命名されました。2012年にCTNNB1遺伝子の違いと、人の症状との関連が報告されてから、400名を超える患者さんが報告され、臨床症状の特徴が少しずつ明らかになってきました。今後、さらに情報が増えていくと予想されます。
どういう症状があるの?
NEDSDV症候群の体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は、限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅している訳ではないかもしれません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達
発達に問題なく過ごされている方もいらっしゃいますが、多くの方でのんびりしていると言われます。ただし、その程度は様々です。運動発達の目安はお座り16カ月、一人歩き3.8歳(12カ月~8歳)と報告されています。ただし下肢の動かしにくさの影響で歩くことが得意ではない方や、思春期以降でも一人で歩くことが難しい方の報告もあります。コミュニケーションは、おしゃべりが非常に難しい方から問題なく行える方まで非常に幅が広いことが知られています。発達を見守る中で療育(発達支援)が提案されることもあります。
神経:下肢の動かしにくさ
下肢の動かしにくさを持つ方が約80%と報告されています。そのため、遺伝子診断が行われるまで、“脳性まひ”と診断されていることもあります。下肢の動かしにくさは歩きにくさの原因となります。症状がどんどん進んでいくことは少ないようですが、治療方針などを専門診療科と相談するようになります。
眼の症状
約70%の方で何らかの眼の症状を合併しています。約半数の方で斜視(黒目が横にずれている)を持ち、それ以外に屈折異常(近視、遠視など)など様々なパターンがあります。特に小児期は視力を育てる重要な時期でもあり、眼科での定期的な診察が重要となります。
睡眠障害
眠ることへの課題を持つ方は20%程度と言われています。寝つきが悪い、中途覚醒などありましたら担当医への相談をご検討ください。
神経:けいれん
約10%の方で熱性けいれんなどの発作を経験すると言われます。治療に難渋する方は少ないようですが、気になる動きなどありましたら、担当医にご相談ください。
脊柱側弯
脊柱側弯(背骨が横に曲がること)を持つ方が報告されています。外来受診時や学校などでの健診時に確認していくようになります。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。今までの報告の多くは、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。新生変異の場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます(正確な発生頻度は不明です)。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があることが知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。この場合次の妊娠でNEDSDV症候群の体質を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
伴っている症状や、その程度に応じて療育手帳によるサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。