CREBBP
遺伝子名: CREBBP
疾患名 |
メンケ・ヘネカム症候群
Menke-Hennekam syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
CREBBP遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
メンケ・ヘネカム症候群は、2016年にMenkeらが11人のCREBBP遺伝子に違いを持つ患者さんを報告したことが始まりとなります。従来、CREBBP遺伝子の変化は、Rubinstein-Taybi(ルビンシュタイン・テイビ)症候群の原因として知られていましたが、Menke-Hennekam症候群でも同じ遺伝子の変化を原因とすることが確認されました。日本からも何名かの情報が報告されており、遺伝子解析技術の臨床応用に伴い、今後報告数が増えることが期待されます。
どういう症状があるの?
この体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達
発達はのんびりしていると言われますが、その程度は様々です。一人歩きや単語を話すことができるようになる方もたくさんおり、その場合は平均一人歩き25カ月、初めての言葉59.5カ月という報告もあります。ただし、言葉の方がより影響を受けやすいようであり、10歳を過ぎても言葉が出てきていない方の報告もあります。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。
哺乳が苦手
多くの方で飲むのが苦手であり、約半数の方では経管栄養(口や鼻から胃にチューブを入れ、そこからミルクなど栄養を入れる方法)が必要であった、との報告もあります。栄養方法に関しては担当医や療育の方と相談し慎重に進めていくことが重要です。
眼科
眼の合併症は頻度が高いようです。斜視(黒目が横にずれている)や屈折異常(近視・遠視・乱視)の頻度が高いようですが、それ以外の産まれつきの眼の症状も報告されていうます。小児期は“見る力”が育つ時期でもありますので、定期的に眼科の先生と相談するようになります。
聴力
理由は様々ですが、耳の聞こえの症状を持つ方が約半数という報告があります。産まれたタイミングで聴力スクリーニングを行われていると思いますが、その後の経過で中耳炎を繰り返した結果聴力に影響を及ぼすこともあります。普段の生活の中で気になることがあれば、担当医にご相談ください。
感染症
多くの方で気道症状(かぜ症状)を反復することが知られており、気道症状が悪化すると中耳炎にも注意が必要です。一般的には集団生活を制限する必要はありませんが、できる年齢になれば手洗い・うがいなど感染対策をしっかり行うように心がけてください。
けいれん
約20%の方でけいれんを合併したという報告があります。お子さんで、気になる動きがある場合は担当医に相談ください。気になる動きをスマートフォンなどで記録できると診断のヒントになります。
背骨の側弯(背骨が横に曲がる)
側弯症は約20%の方で合併すると言われます。定期的な外来受診の際に確認していきます。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。今まで報告されているメンケ・ヘネカム症候群を持つ方では新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。この場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があることが知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。この場合次の妊娠でメンケ・ヘネカム症候群の体質を持つお子さんを授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度への登録はありません。伴っている症状や、その程度に応じて療育手帳によるサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。