CREBBP
遺伝子名: CREBBP
疾患名 |
ルビンシュタイン・テイビ症候群
Rubinstein-Taybi syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 小慢情報センター 難病情報センター英語情報(OMIM) 日本語情報 |
CREBBP遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
ルビンシュタイン・テイビ症候群(以降はRTSと記載します)は、1963年にRubinsteinとTaybiらにより初めて7人の患者さんの臨床情報が報告され、1995年にCREBBP遺伝子の違いが原因であると同定されました。RTSの頻度は海外では約100,000出生に1人程度と推定されておりますが、日本からは約10,000出生に1人とも言われており、小児専門病院においては時折拝見する症候群の一つと言えます。
どういう症状があるの?
RTSという体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。下の記載は全ての起こりうる症状を網羅している訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
成長
背が低い(低身長)、頭が小さい(小頭症)方が多いようです。成人時の身長は男性151.8cm、女性143.2cmと報告されています。新生児期~乳児期は哺乳が苦手なため、体重の増えに課題を持つ方もいますが、小児期以降には肥満に注意が必要となります。
発達
多くの方でのんびりしていると言われますが、その程度は様々です。運動の目安として寝返り10か月、おすわり16カ月、一人歩き35カ月と言われています。言葉もゆっくりしており最初の言葉は平均25カ月と言われますが、成人期移行でもおしゃべりが苦手な方も少なくありません。一方で言葉の理解は得意であり、ジェスチャーやサイン言語を使ったコミュニケーションを行っている方もいます。
心臓
約30%の方に産まれつきの心疾患(先天性心疾患)を認めると報告されています。今まで心臓の検査をしたことがない方は担当医に相談ください。先天性心疾患が見つかった場合、循環器科医と治療方針を相談します。
呼吸
乳児期は繰り返す感染症に注意が必要です。また、小児期以降では睡眠時無呼吸を合併することがありますので、眠っている様子を観察し疑わしければ担当医に相談してください。
眼の症状
斜視(黒目が横にずれている)、眼振(眼が揺れる)、屈折異常(近視・遠視・乱視)など眼の合併症が知られています。また、涙を鼻へ通す管が産まれつき狭く(鼻涙管閉塞と言います)眼の炎症を繰り返す方も知られています。定期的に眼科の先生と相談することが重要となります。
耳の症状
呼吸器感染による中耳炎の反復、それによる耳の聞こえへの影響が知られています。感冒時など定期的にかかれるように、かかりつけの耳鼻科の先生を持っておくことが重要です。
腎・泌尿器系の症状
産まれつきの腎臓の形の違い、停留精巣、尿道下裂、膀胱尿管逆流、外性器異常など腎臓・泌尿器系の症状を合併しやすいと言われます。お腹の超音波検査での評価も検討されます。
骨の症状
産まれつき指の本数が多い方(多指・多趾)は手術が検討されます。また、思春期頃から背骨の症状(側弯:背骨が横に曲がる)を持つ方が増えてきます。成人期には膝関節や股関節の痛みが出ることもあり、気になる症状があれば整形外科の先生へ相談します。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの方は新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。新生変異の場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます(正確な発生頻度は不明です)。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があることが知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。この場合次の妊娠でRTSの体質を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
小児慢性特定疾病(染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群)、指定難病に指定されています。重症度が国の認める基準を超えた場合に対象となり、申請には医師の診断書が必要となるため、担当医に相談ください。その他、合併している症状や、その程度に応じて療育手帳などによるサポートを受けることができる可能性があります。 社会資源の活用については担当医にご確認ください。