CHD8
遺伝子名: CHD8
疾患名 |
Intellectual developmental disorder with autism and macrocephaly
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
静岡県立こども病院 遺伝染色体科
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 |
CHD8遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
CHD8遺伝子の変化と症状の関係が初めて明らかになったのは2014年のことです。このときには、子供から大人まで様々な年齢を持つ15名の患者さん情報が発表されました。その後も少しずつ症例が追加され、現在までに100名以上の患者さんが報告されています。近年、染色体や遺伝子を詳しく調べる検査技術が進んできているため、今後もこの病気と診断される方は増えていくと考えられています。
どういう症状があるの?
この体質をお持ちの方では、成長や発達、体の特徴などについて、気をつけたほうがよい特徴や症状がいくつか知られています。以下にご紹介する内容は、限られた報告や研究をもとにまとめられた情報で、すべての症状を網羅したものではありません。あくまで「この体質の方にみられることがある傾向」としてご覧ください。また、同じ体質を持っている方でも、症状のあらわれ方や程度には個人差があります。すべての方に同じような症状が出るわけではありません。この情報は、「どんな症状が出る可能性があるのか」を事前に把握しておくためや、実際に見られた症状がこの体質と関係しているかを医師と一緒に考える際の参考として役立ててください。
気をつけた方がよい症状
発達
多くの方で発達のペースはゆっくりであると報告されていますが、その程度は様々です。たとえば、多くのお子さんは2歳ごろまでにひとり歩きができるようになると言われていますが、中には小学校高学年になっても歩くことが難しい場合もあります。また、言葉の発達もゆっくりと言われますが、お話ができるようになる方も少なくありません。お子さん一人ひとりの発達の様子を見守りながら、必要に応じて療育(発達を支える支援)が行われることもあります。
成長(身長・体重・頭の大きさ)
CHD8遺伝子に変化を持つ方では、過成長(体が大きくなる)を特徴とすることが知られています。身長や頭の大きさが生まれたときから大きい方もいますが、多くは幼児期~思春期頃から目立ってくるようです。体重については太りやすい傾向がある方も報告されていますが、一般的には身長に比べると体重は軽い方が多いようです。定期的に成長の記録をつけることが重要です。
行動面での課題
多くのお子さんで、多動(じっとしているのが難しく、興味のあるものを見つけると急に動き出す)、集中が続きにくい「注意の散りやすさ」、など、行動面での特徴がみられることがあります。お子さんが生活しやすいように周囲と協力し、生活環境を整えることが大切です。
筋緊張低下(筋肉の弱さ)
筋肉に力が入りにくい「筋緊張低下」がみられることがあり、運動発達がゆっくりだったり、母乳やミルクの飲みにくさ、呼吸のしにくさなどにつながることがあります。また、「不随意運動(ふずいいうんどう)」という、自分の意志とは関係なく体が動いてしまう症状も少ないですが報告されています。気になることがあれば、担当の先生にご相談ください。
睡眠の症状
約70%の方で、寝つきが悪い、夜間に何回も起きてしまう、など睡眠の症状を持つと言われています。睡眠の症状でお困りの際は担当医にご相談ください。
てんかん
全体の10〜15%の方に、てんかん発作がみられると言われています。発作のタイプはさまざまで、2歳ごろに発症することが多いという報告もありますが、実際には発症する年齢には大きな幅があります。多くの方は抗てんかん薬によって発作をコントロールできるとされています。日常生活の中で気になる動きがあった場合は、担当医にご相談ください。その様子を動画に記録しておくと、診断の参考になることもあります。
その他の症状
お腹の症状(慢性的な便秘、繰り返す嘔吐、胃食道逆流症)、呼吸の症状も見られやすい症状として報告されています。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。この場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があることが知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。この場合次の妊娠で同じ体質を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴う症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。