ANKRD11
遺伝子名: ANKRD11
疾患名 |
KBG症候群
KBG syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
愛知県医療療育総合センター中央病院
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
ANKRD11遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
KBG症候群は1975年にHerrmannらにより2家族の臨床症状が初めて記載され、2011年に原因遺伝子としてANKRD11が同定されました。現在まで約100例の報告が世界中から行われております。様々な症状を持つものの原因が分からないお子さんに対して行う、網羅的遺伝子解析(約23000種類ある遺伝子を全て調べる手法)により最も見つかってくる原因遺伝子の一つとも言われており、今後さらに情報が集まってくることが期待されます。ちなみに、”KBG”は患者さんの名前の頭文字から取っています。
どういう症状があるの?
KBG症候群という体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、起こりうるすべての症状を網羅している訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずもつ訳ではありません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達
多くの方でのんびりしていますが、その程度は様々です。少なくとも出来ていたことが出来なくなるわけではないようです。成長とともに独歩、会話でコミュニケーションが可能となる方が多いと報告されています。ただし、喉の筋肉の使い方が上手ではないお子さんが多く、滑舌には注意が必要です。発達を見守る中で療育(発達支援)が提案されることもあります
成長
半数を超える方で背が低い(低身長)、頭が小さい(小頭症)と言われています。また、二次性徴の訪れが早い方が報告されており、この場合成人期の身長は更に低い傾向があり、注意が必要です。
歯の症状
多くのお子さんで、永久歯になると上の前歯が周りの方よりも大きいことが特徴となります。また、歯の本数が足りない方も約40%でいらっしゃいます。歯自体が『虫歯になりやすい』というわけではありませんが、歯の特徴により歯磨きが難しい可能性もあり、虫歯には注意が必要です。
骨の症状
多くの方で脊柱側弯(背骨が横に曲がる)、足の指がくっついている(合趾症)、手が小さい、など何らかの骨の症状を持ちます。気になる症状があれば担当医にご相談ください。
心臓
10%程度で産まれつきの心臓病(先天性心疾患)を持つと報告されています。先天性心疾患があった場合、循環器科の先生と治療方針を相談します。
消化器症状
飲みが苦手、体重の増えが悪い、胃食道逆流などが報告されています。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。新生変異の場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じ程度と考えられます。ただし、遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があり、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。この場合、次の妊娠でKBG症候群の体質を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
伴っている症状や、その程度に応じて療育手帳によるサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。