ACTG1
遺伝子名: ACTG1
| 疾患名 |
Baraitser-Winter syndrome 2
|
|---|---|
| 登録人数 | 1~3名 |
| 登録施設 |
長野県立こども病院
|
| ピアカウンセリング | 希望する |
| 関連情報 |
ACTG1遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
Baraitser-Winter症候群は、1988年にBaraitserとWinter医師によって、3人の患者さんが報告されたことから知られるようになりました。2012年になって、ACTB遺伝子とACTG1遺伝子の変化が、この病気の原因であることが分かりました。これまでに、世界で約100人の患者さんが報告されています。近年は、染色体や遺伝子を詳しく調べる検査技術が進歩してきており、これまで診断が難しかった方も含めて、Baraitser-Winter症候群と診断される方が増えていくと考えられています。
どういう症状があるの?
この体質をお持ちの方では、成長や発達、体の特徴などについて、気をつけたほうがよい特徴や症状がいくつか知られています。以下にご紹介する内容は、限られた報告や研究をもとにまとめられた情報で、すべての症状を網羅したものではありません。あくまで「この体質の方にみられることがある傾向」としてご覧ください。また、同じ体質を持っている方でも、症状のあらわれ方や程度には個人差があります。すべての方に同じような症状が出るわけではありません。この情報は、「どんな症状が出る可能性があるのか」を事前に把握しておくためや、実際に見られた症状がこの体質と関係しているかを医師と一緒に考える際の参考として役立ててください。
気をつけた方がよい症状
発達
発達はのんびりしていることが多いと言われ、その程度は様々です。患者さんの情報はまだ限られているため、「何歳ごろにできるようになるか」といった目安は、はっきりとはわかっていません。多くの方で歩けるようになるようですが、成人以降に関節が硬くなることがあり、将来的に歩くことが苦手になる可能性もあります。また、言葉の発達がゆっくりで小学校入学時でも、お話することが難しい方もいるようです。お子さんの発達を見守りながら、療育(発達支援)が提案されることもあります。
成長(身長・体重・頭の大きさ)
約半数の方で、身長が小柄で、頭の大きさが小さめ(小頭症)になると言われています。定期的に成長の記録をつけることが重要です。
てんかん
約半数の方でてんかん発作を経験します。発作のタイプは様々で、最初の発作が起きる時期も、乳児期から思春期まで(2か月~14歳頃)までと幅があります。治療は抗てんかん薬を用いて発作のコントロールを目指しますが、複数のお薬を使っても発作を十分に抑えることが難しい方もいます。特に頭のMRIで所見が見られる方では発作が出やすく、治療が難しい場合があります。普段の生活の中で気になる動きがあれば、担当医にご相談ください。気になる動きを動画に収めていただくと、診断のヒントとなることもあります。
神経の症状
頭のMRI(画像検査)を行うと、約80%の方で何らかの所見が見られると報告されています。また、筋肉に力が入りにくい「筋緊張低下」がみられることがあり、発達の進み方や、哺乳・呼吸のしにくさなどにつながる場合があります。成人期以降には関節が硬くなることがあり、将来的に歩行への影響が懸念されます。
顔面骨の症状
Baraitser-Winter症候群の原因遺伝子であるACTB遺伝子とACTG1遺伝子は、受精卵から体が作られていく発生の過程において、顔の骨や形を作るために重要な役割を持っています。そのため、この症候群をお持ちの方では、眼や鼻などの作りに影響が出ることが知られています。
眼の症状
眼の症状を持つ方は30~50%と言われます。眼の組織が一部欠けるコロボーマ、瞼が下がっている眼瞼下垂や屈折異常(近視・遠視・乱視)が頻度の高い症状として知られています。症状の程度には個人差もあるため、定期的に眼科の先生と相談しながら経過を見ていくことが勧められます。
聞こえの症状:難聴
約30%の方で難聴を合併すると報告されています。生まれつきの難聴の可能性もありますが、中耳炎を繰り返すことによって難聴となる場合もあります。気になる症状があれば、耳鼻科の先生と相談することが重要です。
その他の症状
生まれつきの心臓病や腎臓の形の違い、骨の症状(脊椎側弯症:背骨が横に曲がる、背骨の形の違い)、便秘や嘔吐を繰り返すなどの消化器症状も、見られる可能性のある症状として報告されています。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。この場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます。ただし、親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があり、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があり、Baraitser-Winter症候群でも稀ですが報告はあります。この場合次の妊娠で同じ体質を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。


指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴う症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。