STAG2
遺伝子名: STAG2
疾患名 |
Mullegama-Klein-Martinez syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
|
ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 |
STAG2遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
Mullegama-Klein-Martinez症候群は、STAG2 (stromal antigen 2)遺伝子の変化によって起こり、
発達の遅れや知的障害、脳の形成異常などがみられます。STAG2は、細胞分裂やDNA修復、遺伝子の働きの調整などに広く関わる重要なたんぱく質「コヒーシン複合体」の一部です。この遺伝子は性別決定に関与するX染色体上にあるため、男女で症状の現れ方が少し異なることがあります。これまでに少なくとも18例が報告されており、15例が女性、3例が男性です。今後の研究によってさらに詳しいことが分かってくると考えられます。
発達の遅れや知的障害、脳の形成異常などがみられます。STAG2は、細胞分裂やDNA修復、遺伝子の働きの調整などに広く関わる重要なたんぱく質「コヒーシン複合体」の一部です。この遺伝子は性別決定に関与するX染色体上にあるため、男女で症状の現れ方が少し異なることがあります。これまでに少なくとも18例が報告されており、15例が女性、3例が男性です。今後の研究によってさらに詳しいことが分かってくると考えられます。
どういう症状があるの?
この体質をもつ方には、成長や発達の遅れ、脳や体のつくりに特徴が見られやすい傾向があります。ただし、すべての症状が現れるわけではなく、症状の出方には個人差があるので注意が必要です。ここでは、これまでの報告例をもとに、よく見られる症状と傾向について示します。
気をつけた方がよい症状
発達
発達はゆっくりめで、筋力が弱く、歩き始めや言葉の発達に時間がかかることがあります。日常生活動作で出来ることが増えることをめざし、必要に応じて療育(発達支援)を受けることが提案される場合があります。
体格
身長や体重は平均かやや小さめのことが多く、特に男性では低身長や体重が増えにくいことがあります。頭囲が小さい「小頭症」の特徴は多くみられるため、成長の記録を定期的に残すことが大切です。
脳・神経の特徴
脳の形に異常が見られることがあり、筋力の弱さが運動の発達に影響することがあります。けいれんが出ることも知られてます。とくに、発熱時のけいれんを繰り返していたり、発熱を伴わないけいれんを認めた場合は、脳波検査、脳MRI検査などを考慮して、神経内科医に相談することあがります。
聴力・耳の症状
元々、耳のなかの構造に違いがあり、聞こえにくくなることがあります。滲出性中耳炎(鼓膜の奥に水が溜まって聞こえづらくなる)にも注意が必要です。耳鼻科での検査がすすめられることがあります。
口・顔・骨などの特徴
口唇口蓋裂や二分口蓋垂(口蓋垂が二つに分かれている)こともあります。背骨や指の形に特徴があり、整形外科での確認が必要なこともあります。顔立ちでは、小さな耳、広い鼻すじ、長い人中などの特徴がみられることがあります。
行動・その他の特徴
注意力が続かない、多動傾向(ADHD)などの行動の特徴がみられることもあります。先天性心疾患、横隔膜ヘルニア、胃食道逆流、十二指腸閉鎖、先天性腎低形成などの報告がみられます。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この病気は男女で構成の異なるX染色体を通して伝わる「X連鎖性遺伝」と呼ばれる形式で伝わります。これまで報告された12例の女性は、たんぱく質が途中で作れなくなる「ナンセンス変異」「フレームシフト変異」などでした。報告のある3例の男性では、たんぱく質の構造が変わる「ミスセンス変異」がほとんどでした。
約90%の症例は「新生変異」とされ、生まれるときに偶然起きた変化によるものです。この場合、次のお子さんへの影響(再発率)は一般の方とほぼ同じと考えられます。残りの約10%は、お母さんから受け継いで発症した男性例でした。
遺伝についてより詳しく知りたい方は、遺伝カウンセリングの受診をおすすめします。
約90%の症例は「新生変異」とされ、生まれるときに偶然起きた変化によるものです。この場合、次のお子さんへの影響(再発率)は一般の方とほぼ同じと考えられます。残りの約10%は、お母さんから受け継いで発症した男性例でした。
遺伝についてより詳しく知りたい方は、遺伝カウンセリングの受診をおすすめします。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴っている症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合がありますので、社会資源の活用について、担当医にご確認ください。