KIF1A
遺伝子名: KIF1A
疾患名 |
NESCAV syndrome
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
東京都立小児総合医療センター
兵庫県立こども病院
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
KIF1A遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
KIF1A遺伝子の違いと症状との関連が初めて報告されたのは2011年になりますが、その症状の幅は非常に大きく、主な症状から遺伝性痙性対麻痺(常染色体顕性遺伝型、常染色体潜性遺伝型)や感覚神経ニューロパチー(神経がうまく働かなくなる状態)、NESCAV症候群(神経症状、痙縮:関節が固くなる、画像検査での小脳萎縮、眼の症状、を示す英語の頭文字)などと言われます。最近では幅広くKAND(KIF1A遺伝子関連疾患)と言われることもあり、ここではKANDとしています。遺伝子解析技術が進歩したことにより診断される患者さんが増えており、今後報告数が増えることが期待されます。
どういう症状があるの?
KANDの体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達
多くの方でのんびりしていると言われますが、その程度は様々です。特に言葉の面で症状が強く出やすいことが知られています。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。一方で発達の症状をほとんど呈することなく、成人になられている方もいるようです。
てんかん
約半数の方でてんかんを合併すると言われています。内服薬でコントロールできる方もいらっしゃいますが、中には内服薬でもコントロールが難しく入院加療が必要、発達への影響を合併するお子さんも報告されています。普段の生活の中で気になる様子があれば、担当医にご相談ください。
神経:痙直(けいちょく)
痙直は関節が固くなる、筋力が弱くなることを言い、特に足の方に症状が出やすい傾向があります。下肢にこのような症状が出た場合、歩くのが難しくなる可能性があります。成人患者さんの約半数で、歩行をサポートする装具が必要であったとも報告されており、継続的なリハビリ対応が重要になります。
神経:末梢神経症状
KANDの体質を持つ方では末梢神経(脊髄から体の細部を担当する神経)症状が見られやすいと言われています。症状としては、手足のしびれや痛み、感覚過敏などがあります。手足の感覚に違和感がありましたら、担当医までご相談ください。
眼科
眼から入った情報を脳に伝える視神経の働きが弱い方が約40%と報告されています。出生直後には分かりにくいかもしれませんが、継続的に眼科の先生にかかることが重要となります。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝、常染色体潜性(劣性)遺伝というパターンの両方あることが知られています。
常染色体顕性(優性)遺伝の場合、多くの方は新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。新生変異の場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます(正確な発生頻度は不明です)。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合が知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。
常染色体潜性(劣性)遺伝は2個あるKIF1A遺伝子(自身の父親と母親から1個ずつもらってくる)の両方がうまく働かなくなった場合に症状が出ます。多くの場合、ご両親それぞれが1個ずつ遺伝子の変化を持っていると考えられます(保因者と言います:違いのないKIF1A遺伝子を1個持つため症状は出ません)。この場合、次のお子さんでHFSの体質を持つお子さんを授かる確率は25%となります。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
常染色体顕性(優性)遺伝の場合、多くの方は新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。新生変異の場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同じと考えられます(正確な発生頻度は不明です)。ただし、一般的に遺伝子の違いにより発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合が知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。
常染色体潜性(劣性)遺伝は2個あるKIF1A遺伝子(自身の父親と母親から1個ずつもらってくる)の両方がうまく働かなくなった場合に症状が出ます。多くの場合、ご両親それぞれが1個ずつ遺伝子の変化を持っていると考えられます(保因者と言います:違いのないKIF1A遺伝子を1個持つため症状は出ません)。この場合、次のお子さんでHFSの体質を持つお子さんを授かる確率は25%となります。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
伴っている症状や、その程度に応じて療育手帳によるサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。