EFTUD2
遺伝子名: EFTUD2
疾患名 |
下顎顔面異骨症
Mandibulofacial dysostosis, Guion-Almeida type
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登録人数 | 1~3名 |
登録施設 |
兵庫県立こども病院
長野県立こども病院
東京都立小児総合医療センター
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ピアカウンセリング | 希望する |
関連情報 | 英語情報(OMIM) 日本語情報 |
EFTUD2遺伝子について、みなさんと考えたいこと
はじめに
この症候群は、2000年に2名の患者さんの臨床症状が初めて報告されましたが、この時点では原因遺伝子は分かっていませんでした。その後、2012年に原因遺伝子としてEFTUD2遺伝子が同定されました。現在まで100名を超える患者さんの情報が報告されており、遺伝子解析技術の臨床応用に伴い、今後報告数が増えることが期待されます。
どういう症状があるの?
この体質を持つ方では、成長や発達、からだつきの特徴など、いくつかの注意した方がよい症状が知られています。以下の症状は限られた報告をもとにまとめられたものであり、すべての症状を網羅した訳ではありません。また、同じ体質を持つ方でも、症状の種類や重さには個人差があることが知られており、すべての症状を必ずみとめるとは限りません。想定される症状について先回りして検査しておく必要があるのか、みられた症状が体質と関係したものかどうか判断する際の目安となるものです。
気をつけた方がよい症状
発達
発達はのんびりしていますが、その程度は様々です。多くの方でひとり歩きが可能となっており、その場合は2歳半で歩けるようになる方が約半分と言われます。お話に関しても2歳~3歳で言葉が出る方が約半数と報告されていますが、幅があり成人期でもお話が難しい方もいます。また、言葉は聞こえの影響も受けるため、そちらの確認も重要となります。発達を見守る中で、療育(発達支援)が提案されることもあります。
成長(身長・体重・頭の大きさ)
頭の大きさが小さい(小頭症)を持つ方が約90%と言われます。また約30%の方は身長も小柄と報告されています。根本的な対処法は難しいのが現状ですが、定期的に成長の記録をつけていくことが重要となります。
耳の聞こえ
約80%の方で難聴(特に伝音性難聴:音を脳に伝えることができない)を合併すると報告されています。顔面骨形成の影響により、耳小骨(鼓膜の奥で音を増幅して脳に伝える際に重要な骨)の低形成、外耳道(耳の穴)が閉じている、などが原因となります。新生児聴力スクリーニングでの結果が参考となります。聞こえは言葉の発達に重要であるため、気になる症状があれば担当医にご相談ください。
心臓
生まれつきの心臓病(先天性心疾患)を持つ方は約30%と報告されています。先天性心疾患があった場合、循環器科の先生と治療方針を相談します。
食道閉鎖
生れつき食道が閉じている方も約30%と言われます。ほとんどは新生児期に診断されますが、嘔吐を繰り返すなど気になる症状があれば、担当医へご相談ください。
背骨の症状
約30%の方で背骨の症状:脊柱側弯(背骨が横に曲がる)、脊柱後弯曲(背骨の前後の曲がりが強くなる)などが報告されています。側弯は成長期にも大きな課題となるため、定期的な外来受診の際に確認します。
てんかん
約20%の方でてんかんを合併すると言われています。普段の生活の中で気になる動きがあれば、担当医にご相談ください。
どういうふうに家族へ遺伝するの?
この体質は、常染色体顕性(優性)遺伝というパターンで伝わることが知られています。多くの場合、新生変異(精子や卵子が作られる過程で偶然おきた遺伝子の変化)によるものであり、誰のせいでもありません。この場合、次子再発率(同じ体質をもつお子さんを妊娠ごとに授かる確率)は、一般頻度と同等あるいは少し上がる程度と考えられますただし、一般的に遺伝子の変化により発症する症例では親子間でも症状の種類や重さが大きく異なる場合があることが知られており、子がもつ遺伝子の変化を、親も持っているにも関わらず、親の症状は軽微なため気づかれていない事例があります。この場合次の妊娠でEFTUD2遺伝子の変化を持つ子を授かる可能性は50%と見積もられます。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
遺伝に関するお話を希望される方は、遺伝カウンセリングにて対応できますので、ご相談ください。
利用できる社会資源はあるの?
*本ページの内容は、掲載時のものです。今後、新しい情報が得られたときは、適宜情報をアップデートしていきます。
指定難病や小児慢性特定疾患といった助成制度にも登録はされていません。伴っている症状や、その程度に応じて何らかのサポートを受けることができる場合があります。社会資源の活用については担当医に、ご確認ください。